
ちょこっとコラム②:クリスマスローズのはなし 大和園 後編
ローザンベリー多和田 チーフガーデナー 本家幸大 (以下・チーフ)と共に、岐阜県郡上市にありますナーセリー、大和園の佐藤さんを訪ねました。
こちらは後編です。
※写真は明るさのみ調整しています。
文・写真:オンラインストア担当 田中

「良い花ってなんだろう」
クリスマスローズにとって、"良い花"とは皆さんはどんな株をイメージされるでしょう。
佐藤さんもチーフも同様に、"シルエット" と口を揃えて話してくれました。
もちろん、花弁の美しさは重要ですが、
それに加えて色気のある蕾や、花を引き立てるような葉付き、スッとのびた茎など、様々な要素のバランスが”良い花”の条件。
また、カメラに造詣がある佐藤さんは、「庭植えをした時にどう見えるか」を挙げてくれました。
人気がある、花首が短くて花が横付きや上向き株。
確かに手でもったり、ポットで高さのあるところに置いてみれば映えるけど、庭に植えたら上からの視点で1-2mくらい離れて見ることになる。
「その時に、美しく見えるか、バランスが大事だよ」

クリスマスローズの育種。
ひとつの株が出荷できるようになるまで、2,3年の歳月がかかるクリスマスローズ。
大和園は家族経営をされていますが、交配は全て佐藤さんが行います。
そのため、毎年の育種は自分で全て把握ができる量のみ。

こちらは佐藤さんの親株ハウス。
直接、イギリスやフランスから買い付けた原種も並んでいます。
育種家さん同士で株を分けている貴重な品種も。
これまでの交配を記した研究ノートもかなりの量になったそう。
パステリッシュストレインのように、あっと驚くようなオリジナル品種が、またここから誕生しそうです。
最近は新型コロナウイルスの影響で、空港の検疫強化に伴い苗が没収されてしまうなんてこともあるようで、そういう部分でも影響が出てしまっています。
下の写真は、驚いたようなチーフとその反応が嬉しそうな佐藤さん。

「クリスマスローズって地味な花だよね」
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何回か佐藤さんがそう言われていたのが、取材をさせていただいた中で特に印象的でした。
半日ほど大和園さんでお話しをしている中で、
「最近はアネモネやラナンキュラス がとっても人気」と話題がのぼりました。
確かにお庭を飾る時に、メインロードのお花を選ばれる際はそのどちらかが選ばれることが多いのかなと思います。
ラナンキュラス ラックスは地植えができて丈夫、かつ毎年たくさん花をつけてくれるところが魅力的ですよね。
でも、そんなお庭の片隅に、雰囲気の違う数株のクリスマスローズがさりげなくうわっていたら、そちらにカメラを向けたくなるかなと。
地味だけど、ロマンが詰まっている、そんな特別なお花の買い付け紹介でした。
佐藤さん、ありがとうございました。

クリスマスローズのファンコミュニティが、ローザンベリーを通して生まれていくと嬉しいと話してくれた佐藤さん。
最後になりましたが、今週末にローザンベリー多和田のマナーハウスにて、毎年恒例のクリスマスローズ即売会が実施されます。
今年は、コロナの影響で店頭に来れないお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで、オンラインでも2/27 9:00〜商品公開、20:00〜販売会を実施させていただきます。
ぜひどちらも楽しみにしていただければと思います。